2009/12/17

河添恵子(2009)『エリートの条件―世界の学校・教育最新事情』学研新書

 本書は、世界の学校の事例を紹介したものであるが、事例紹介にとどまり、タイトルにあるエリートの条件を語るには考察不足な点が残念である。世界の多様な教育事例を表面的に知るには良い本であるが、エリートを考えるには、学校教育の事例紹介では不十分であり、社会背景や労働市場の特性など需要サイド・供給サイド両にらみで考える必要がある。
  • 世界ではエリートとは、何かの分野でトップリーダーとして活躍している人たち、エリートの条件は、ミッション、ビジョン、パッションを持っていること。
  • 教育に関する機会の平等の考えは、学力の差がある生徒が、一緒に机を並べるのは平等ではない。フランスでは、画一的に扱われることは、平等ではなく不平等と考える。
  • 世界の学校はコミュニケーションを重視し、様々な方法で早くからそのスキルアップを図っている。ディスカッションでは、ある物事についてみなで意見を出し合い、異なる意見を出した人の立場も尊重しながら、一定時間内に「個人」で答えを見つけ出すパターンが主流。日本では、子供=個人に答えを出す訓練をあまりさせない。