2009/12/16

中原淳・金井壽宏(2009)『リフレクティブ・マネジャー 一流はつねに内省する』光文社新書

  • 内省と対話で学習が個人間で連動していけば、組織学習となる。
  • 管理職になりたくない症候群
    • まだここで一皮むけたくない:担当者として一人前なのに、管理職になるともう一皮むけないといけない、一人でやる方が気楽
    • 管理職になると損をする:時間的・金銭的にプアになると予想
    • 現場にもっといたい:慣れ親しんだ第一線と距離を置くのが寂しい
    • 管理という言葉が情けない:人を鋳型にはめる、プレッシャをかけるなど管理の仕事には憂鬱感がともなう
    • 仕事を他人に依存する不安:仕事のできばえが他の人のがんばりに依存するのが不条理・不安
  • 働く大人は職場にいる人との「かかわりと支援」を通じて学び、仕事をこなせるようになる。人はひとりで一人前にならない。
  • マネジャーは、「自らのイニシアチブで何らかの絵を描いて、その実現のために人々を巻き込む」リーダー的要素があるかどうかを試される。戦略発想で実現していく変化であり、既存のシステムを壊してでもリーダーシップを発揮し、最後までやり抜くことが求められる。
  • プレイングな状態にあるマネジャー以外に部下は育てられない。
    • 認知的理由:マネジャーの行動の観察を通じて部下が学ぶ。
    • 情動的理由:プレイしているあの人が言うからそうだろう、と腑に落ちる。
  • 部下の育成は、常にインプロビゼーション。
    • タイミング:教育的瞬間を外した経験の語りは説教になる
    • 失敗経験
    • プロセス:5W1Hと自分が感じたこと、教訓を語る
    • 吟味と反論の可能性を与える
  • Kolbの経験学習モデルでは、何よりも経験の質が重要。
    • 連続性の原理:いかなる経験も、引き続き起こる後の経験の質に影響する
    • 相互作用の原理:経験は個人の内面だけで進行せず、個人と環境の相互作用によって起こる
  • 成人の能力開発の7割は現場の経験による:研修か現場かではなく、現場の経験をリフレクションする機会を持つこと
  • ワークショップで行うエンドロール内省
  • 心理的安全が低いと、人は変化するのをためらう。攻撃されるのではないかと恐怖におびえる状況では挑戦しない。研修は、安心して主観を語る場所を確保するためにあってもいい。
  • リーダーシップが発揮できるようになる上で有益なのは、仕事上の経験、上司・取引先との関係を通じた薫陶、研修がそれぞれ、7,2,1。
  • マインドセットを変える教育はできない。マインドセットを変えたいと願う人たちの場を作ることはできるかも。
  • 経営理念は、2つの機能を持つ
    • 成員統合機能:(1)行動指針・緊急時の問題解決の拠り所、(2)一体感醸成、(3)コミットメット引き出し
    • 社会的適応機能:(1)変革を進める拠り所、環境変化適合機能、(2)変化の中で組織の存在理由を維持する、正当化機能
  • ミッションマネジメントでは対話が重要。あえて曖昧でどうとでも解釈可能な理念を従業員に示し、その理念を解釈する機会を職場で持ち、従業員同士が自分の仕事の中に理念に関連する出来事があったかどうかについて対話する。
  • 競争優位を獲得するには、ポジショニング、資源ベース、動的能力の3つの視点でアプローチする。
  • 人事部門の役割は、戦略のパートナー(重要な会議にいつも出て戦略策定と実施の両面で支援)、変革の促進者(自ら変革して存在意義を認めてもらう)、能率のエキスパート(採用・給与計算)、従業員のチャンピオン(声をキャッチして会社のために声をあげる)
  • 人事部門はサーバントリーダーたれ。本気で相手の要望を聞けること。
  • 緩いコミュニティの方が、キャリア確立に寄与する。その理由は、なぜここにいるか、何を目指して来ているかを考えざるを得ないから。
  • 社会の勉強会で最先端を学んだとき、その人は会社のために役立てたいと思っても会社の事業の枠を超えているとき、本人は成長したと思っても、上司や同僚はそれを快く思っていない。会社の枠をはみ出て学ぶことは、一人の大人として正しくても、会社からは全く成長していないと見られる。この問題は、多くの職場で発生しているだろう。