2009/12/07

佐野享子(2005)「ケース・メソッド授業における教師・学生間の相互作用に関する一考察 ─ビジネス・スクールにおける討論授業での教師の発話に焦点を当てて─」『京都大学高等教育研究』第11号

  1. 教師と学生との応答は、「学生の発話→教師による学生の発話内容の確認」が主体となっており、その後学生の発話内容が十分でない場合の教師の応問、又は学生の発話内容が十分でない場合の教師から他の学生への発問が必要に応じて展開されている。
  2. 授業全体の展開はあらかじめ構想された主題の順序どおりに進められており、それまでの討論内容の要約が教師によって確認されてから次の主題が導かれている。
  3. あらかじめ構想された主題の下位のレベルに位置付く主題は、学生の発話内容によって異なるものが設定されることがある。それらは教師による学生の発話内容の確認の後に新たな発問によって導かれている。
あらかじめ構想された授業の主題の範囲内であれば、学生の発話をもとに、学生の関心に基づく新たな主題が適宜設定され、授業が展開されている。このような授業展開において重要な役割を果たすのは、学生の発話内容を「確認」する機能を果たす教師の発話であるといってよいだろう。