坂本辰朗(2021)「ファカルティ・ディベロプメントとは何であったのか」『学士課程教育機構研究誌』10, 5-18
- FD=成熟と学習の過程
- 教員の職能開発を訳すことは不適切
- Develop=自らの成熟と学習+他者の成熟と学習への働きかけ
- Developの対象=教員として大学の諸学務に関与する能力≠授業技術
- FD=一種の永久運動
- FD=大学のミッション実現に努力することが最良のFD
- FDを永久運動であることを支える理論やパラダイムがない
- アメリカのFDの特徴=テニュア獲得を目指して研究と教育に関する能力を高める
- → 今のテニュア教員は約45%(=テニュア制度崩壊)
- ↑ 財政難が原因:予算がない=非テニュア教員で退職者を埋める(=大学の企業化:corporatization)
- UCの99〜09年:学生40%増、専任教員23%増、幹部職員97%増
- 実際は非テニュア教員にこそFDが必要
- 2010年代のFD関連業績は圧倒的に行動主義
- パラダイムシフト、学生中心、〜学習法
- → POD(2002)Guide to FD:教員が常にvital・flourishingであるための組織的な取り組み
- 半数が非テニュアなので、標準キャリアモデルは今や困難
- メンター≠アドバイザー → 利他性を追求した幸福な生を送るために何を行なっているかをアドバイスする人
- FDの研究・教育・学務の3つは不可欠・不可分
- 大学の抱える疑問にscholarly approachを維持する
- FDは教育活動
- 過度に学習の問題にし過ぎ(学習化:lernification)(ビースタ)
- ビースタの教育の機能:資質化・社会化・主体化
- 人間が生きるにあたって必要は資質をあたえること(知識・技能・理解)
- 人間が生きる特定の社会の伝統・慣習・規範に参加してふさわしい一員になること
- 社会への順応で人間が社会へ埋没することに抗う
- これは便宜上の区分で、ある教育活動が〇〇化にあたらない
- 行動主義は人間の中に起こっていることが見えなくなる
- 価値創造を目指すべき、創造された価値を目指してはいけない