Stensaker, B. (2015) "Organizational identity as a concept for understanding university dynamics," Higher Education, 69, 103-115.
- 組織アイデンティティ:組織文化、ブランディング、マーケティングと関連した領域
- 組織アイデンティティを定義する2つのアプローチ
- 本質主義:真の組織の特徴を反映するもの(秩序と安定性を作るOI)
- 組織の資源(戦略的ポジショニング・戦略志向性の一部としての)
- この2つの違いは、OIを操作可能なマネジメントツールと見るかどうかの違い。
- 前者はOIを文化の一部と見る、後者はOIを文化から切り離し、言語・シンボル・逸話を使って操作するものと見る。
- 前者は組織の存続性に注目し、後者は組織の変化に注目。
- しかしこれは、現在の外部説明責任の高まる状況を説明できない。
- 今日のHE:市場的状況(国際化などによる)→ 管理主義的大学となる → 学内での緊張が高まる → 変革の規模や範囲を狭める → 大学改革の方向性を中心的な価値観や規範に近いところで変革する議論を推進する(← そうなるかがポイント:Marginson and Considine 2000; Hartley and Morphew 2008; Watson 2009)。
- かつての大学組織の見方:無秩序組織・ルースカップリング(← 組織を中から見る見方)
- もう1つの見方:学外からのニーズに基づいて変革する必要がある組織(ただし、ほとんどいつも大学は学外から批判されている)
- → 今日の大学は、学内外からの矛盾する期待を両立することが求められている。
- Albert and Whetten(1985):OI=教員が示すコミットメント
- (1)中心的特徴:組織を識別する重要なもの
- (2)経時的継続性:時間を経ても変化しない特徴
- (3)独自性:他との違いを表す特徴(1とどう違う?)
- 組織変革をコミットメントで進めるかデザインで進めるか
- 前者は内部重視(OI不変)、後者は外部重視の変革(OI変化)
- 今日の大学組織の4つの活動
- 変革プロセスの特徴:デザイン変革 or 有機的変革
- 重要な主体:学内 or 学外
- → デザイン・学内=統合としてのOI
- → デザイン・学外=イメージとしてのOI
- → 有機・学内=解釈としてのOI
- → 有機・学外=イノベーションとしてのOI
- 解釈としてのOI
- センスメイキングプロセスで使われる。
- 新しい状況=歴史的な出来事として解釈される=現在のアイデンティティと関連付けて解釈される=OIが解釈フィルターのような役割を果たす。
- イメージとしてのOI
- 強いOIは外的イメージの基盤になる、OIと外的イメージのギャップは変革の原動力となる、OIと外的イメージの一致は強い安定性を作る。
- → 今日ではOIと外的イメージギャップが、組織存続の脅威として作用する。→ ギャップが大きくなりすぎる=アイデンティティ危機が起こる
- イノベーションとしてのOI
- OI=ラベルに現れる → メンバーが変わるとラベルの解釈も変わる ← 比較的弱く不明確なOIで起こる(スポーツ競争が起こったのもこれ)。
- 統合としてのOI
- 執行部の持つ既存のアイデンティティへの影響力は小さい → 執行部が新しい解釈を提供する → 組織内でそれを解釈するプロセスが始まる
- 外部環境対応では学内対立が不可避:OIを議論のトリガーとして使う。
- 戦略プランもセンスメイキングのせいかではなく、センスメイキングプロセスのためのインプットとしてとらえるべき。
- 教員のOI:同じメンタルモデルから作られるのに、実際は多様。