高橋知音(2015)「発達障害のある大学生への合理的配慮とは何か」『教育心理学年報』54,227-235
- 合理的配慮:障害のある者が,他の者と平等に教育を受ける権利を享有・行使することを確保するために,大学等が必要かつ適当な変更・調整を行うこと。その際,大学等に対して,体制面,財政面において,近郊を失した又は過度の負担を課さないもの。
- 学生の状態を訓練や治療で変えるのではない。大学が変更・調整を行う点がポイント。(障害の社会モデル)⇔ 障害の医学モデル=障害は個人に内在。
- もう1つのポイントは合理的。しかし,どこまでが合理的かの線引きは困難。(海外では判例の蓄積で線引きが決まる。)
- 財政面が考慮されることは,判断基準が大学で異なる可能性がある。
- 合理的配慮では,教育の本質や評価基準を変えることは求めない。
- 妥当な合理的配慮=学生が感じる学修上の困難と機能障害との関連について根拠が示されていること → 発達障害(見えにくい障害)では判断が難しい。
- ただし,医学的診断は必要条件だが十分条件ではない。
- 検査結果等の根拠に基づいて合理的配慮の内容を決めることが広がらない理由は,大学生に利用可能な認知機能検査が限られているから。
- 一方で,症状妥当性の検査(詐病の防止)も大きな課題。
- 試験は,受験者の能力,スキル,知識の程度を推測するために収集する行動のサンプルである。
- ← 何らかの機能障害がそのサンプル収集に影響を及ぼしているなら,そこから能力等の推定は不適切になる。