2022/07/18

高橋弘司(1993)「組織社会化研究をめぐる諸問題」『経営行動科学』8(1), 1-22

  • 組織社会化の研究は質・量ともに不十分
  • 当初の関心:社会的秩序はどうすれば成り立つのか=個人が社会のために連帯する一方的な概念 → 社会の規範・価値・習慣的行動様式を学習して内面化する過程に
    • 3つの共通要素:社会化は成員性の習得、社会化は学習の過程、社会化は他者との相互作用を通じてパーソナリティを社会体系に結びつける過程
  • 組織社会科の定義:
    • 組織の一員として認められるために、個人が価値・規範・組織に必要な行動を身につけていく過程(Schein1968など)
    • 組織への新規参入者が、新たな役割・規範・価値を習得する形で変化し、組織に適応していく過程(Wanous 1992)
    • 組織の役割を引き受けるのに必要な社会的知識と技能を個人が獲得してく過程(Van Maanen & Schein 1979)
    • 自分の役割がどうあるべきかについて、規範とも言うべき信念を持つ人々との相互作用を通じて、個人が集団内での自分の地位にふさわしい行動を習得する様式(Brim 1966など)
  • 職業的社会化との異同
    • 職業的社会化:人々がある職業に就き、退職するまでのプロセス、およびその職業の担い手に期待される職務遂行能力や態度、職業倫理、職業観などが習得される過程

    • ここでは、組織社会化に職業的側面(技能的側面)と組織的側面(文化的側面)が並存する立場をとる。
  • 研究テーマの設定:組織と個人の間の相互作用を考察するものがほとんど
    • 組織の特徴や組織が個人に及ぼす影響の研究:社会化の促進策の働きかけ(職務予告や新任研修)と測定
    • 個人の特徴や個人が組織に及ぼす影響の研究:現実ショックを和らげる働きかけと測定
  • 社会化の開始・終了についての定説がない→キャリア全体の長期的と参入直後の短期的の2つの見方がある

  • なぜ組織社会化研究は質が低いと言われるのか?→ 曖昧な研究視点に基づいていること+複数のフレームワークの一部を取り出し、再構成して1つのフレームワークを作っているため
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    • 組織行動論に基づいた実証研究であり、縦断的な因果関係を変数に想定する研究が必要