- マネジリアリズムがオーストラリアの大学をどう変えたか
- ブルデューのフィールドと社会資本
- フィールド=境界性のある社会空間
- 社会資本=フィールド内にいる人が持つ影響力の関係性
- 地方大学における24インタビュー(13教員、11職員)によるケーススタディ
- 主要な抽出主題
- 教員はアドミニ業務に対応しきれないという印象を持っている
- 職員はチームワークからシェアドワークへという印象を持っている
- 教員はより一人で行う仕事が増えていると感じている
- 職員はコロナ禍もキャンパス内での仕事を強要されるが、教員はキャンパスの外の時間が増えている
- 教員は忙しさの加速が職員との交流を限定的にし、職員はチャットルーツの導入などで社会的儀式の機会が増えている
2022/07/31
Wheeldon, A. L., Whitty, S. J., & van der Hoorn, B. (2022). Fish-out-of-office: How managerialised university conditions make administrative knowledge inaccessible to academics. Higher Education Quarterly, 1-14.
2022/07/30
Kezar, A. (2005) Redesigning for Collaboration within Higher Education Institutions: An Exploration into the Developmental Process, Research in Higher Education, 46(7), 831-860
- 大学におけるコラボレーションプロセスのモデル化
- 4つの先行研究モデルを援用し、4大学80人の調査と書類データの主題分析から、(1)コミットメントの確立(外圧、価値、学習、ネットワーク)、(2)コミットメント(優先順位、ミッション、ネットワーク)、(3)維持(統合構造、報酬、ネットワーク)の3プロセスをモデル化
- シングルケーススタディだが、一部のコラボレーションではなく、組織全体のコラボレーションを取り上げるために採用。モデルケースではなく、レアケースの研究。
- MCMモデルで説明できる部分と、当てはまらない部分を指摘し、モデルをディフェンス。
2022/07/29
Lee, J., Lo, W. & Abdrasheva, D. (2021) Institutional logic meets global imagining: Kazakhstan’s engagement with China’s Belt and Road Initiative, Higher Education, 82, 237–253
- カザフスタンの大学が中国との連携による国際化をどのように捉えているかを探った研究
- 10大学の国際担当者へ質的調査、否定的回答なし、国際化に肯定的
- 支配的な制度ロジックを聞く質問
- 貴学にとってBRIにどのようなチャンスを見いだしているか?
- BRIを通じてどのような目標を設定しているか?
- BRIの文脈でどのような機関のマイルストーンが達成できたか?
- 経済的なロジックよりも、実利的ロジックが重視されていた。
- 10機関が実利的、2機関が自律的と実利的が同等、2機関が実利でなく自律的と管理的(=どちらも小規模私学)
2022/07/19
竹中克久(2002)「組織文化論から組織シンボリズムへ」『社会学評論』53(2), 36-51
- 組織文化論と組織シンボリズム:同じ組織文化の理論なのにアプローチが違いすぎる
- 組織文化論:成員の基本的仮定としての組織文化(シャイン)→機能主義的 な見地から分析を始めるがゆえに、組織文化を成員によって共有された一枚岩的なものであることを自明視せざるをえない
- 組織シンボリズム:成員・非成員と問わず当事者による解釈の対象としての組織文化(ハッチ)→組織文化はシンボルのシステム→シンボルを駆使していかに組織文化を共有化するか・しないかというプロセスに関心を示す
- 組織シンボリズムの有効性は、従来の組織論が組織という現象を絶対的な合理性を有する存在であると自明視してきたことを相対化すること(組織の合理性・組織それ自体が、非合理でシンボル的な側面を有していることに言及)
- 組織文化とは何か:組織構成員によって内面化され共有化された価値・規範・信念のセット」(加護野 1988)
- 80年代より前の組織論=コンティンジェンシー理論(組織と環境は不可分)による従来組織観の刷新
- しかし現実は、組織は環境に適応して変動できない、なぜか?→ 組織内に非合理な要素があるから → 80年代の組織文化論へ(=組織文化論はコンティンジェンシー理論を補完するもの)
- 組織文化論=組織文化を環境の1変数ととらえ、リーダーが基本的な仮定のレベルの操作にいかに関与するかを考察する研究(文化の道具性・操作可能性)
- 組織シンボリズムのゆらぎ
- 機能主義者:シンボル=社会的秩序の維持装置 → シンボルの政治利用論
- 解釈主義者:シンボル=個人がシンボルを通して自らの世界を創造するのに不可欠なメディア → 当事者がいかにシンボルを駆使して組織文化を構築し解釈するか
- 両者の人工物に対する見方
- 組織文化論:基本的仮定を重視するため、人工物を軽視する傾向
- 組織シンボリズム:人工物レベルにシンボル的要素が入り、当事者は人工物を解釈する存在であるから、人工物のレベルをシンボルとして分析する
- 時計回りのプロセス
- 成員は基本的仮定で支持されるべき価値観(何が正しいとされているかという基準)を創出する。
- その価値観を、行為によって具現化することで人工物(神話・スローガン)を創出する。
- その人工物は、イメージを通してシンボル化されることでシンボル(意味を付与された人工物)となり、そのシンボルは解釈され続けることで、基本的仮定を意味づけるのに役立つ。
- 反時計回りのプロセス
- ある新しい価値観が外から持ち込まれたり、人工物が破壊されることで組織文化を変動させることもあれば、現行の組織文化を再強化したり維持する場合がある。
- このモデルは、基本的仮定が変動する際に、リーダーの介入だけでなく、フォロワーによるシンボルの再解釈でも起こる点が特徴(リーダーそのものやリーダーシップもシンボルとして分析する存在)。
- 「教育組織は正当性を確保するため、環境の中で承認された様々な儀式(伝統的に確立されたカリキュラムの提供、それにもとづく学位授与)を行わねばならない。これらは有意義な教育の実行を保証しない。事実、教育組織は、その中核的な教育・学習活動を外部の評価や成果責任から遮断するのに骨を折っている。効率性を脚色することが、実際の効率性を制限するにもかかわらず、それに大きな努力を傾ける。」
- 非合理でも構造を変化させることができないことを説明する方法:
- 従来の組織論:官僚制の逆機能、組織文化を変えることの難しさ
- 組織シンボリズム:組織外の観察・解釈に応えて、合理的であることを装飾しようとするため(官僚制の逆機能=意図せざる帰結⇔装飾=意図的な帰結)
2022/07/18
高橋弘司(1993)「組織社会化研究をめぐる諸問題」『経営行動科学』8(1), 1-22
- 組織社会化の研究は質・量ともに不十分
- 当初の関心:社会的秩序はどうすれば成り立つのか=個人が社会のために連帯する一方的な概念 → 社会の規範・価値・習慣的行動様式を学習して内面化する過程に
- 3つの共通要素:社会化は成員性の習得、社会化は学習の過程、社会化は他者との相互作用を通じてパーソナリティを社会体系に結びつける過程
- 組織社会科の定義:
- 組織の一員として認められるために、個人が価値・規範・組織に必要な行動を身につけていく過程(Schein1968など)
- 組織への新規参入者が、新たな役割・規範・価値を習得する形で変化し、組織に適応していく過程(Wanous 1992)
- 組織の役割を引き受けるのに必要な社会的知識と技能を個人が獲得してく過程(Van Maanen & Schein 1979)
- 自分の役割がどうあるべきかについて、規範とも言うべき信念を持つ人々との相互作用を通じて、個人が集団内での自分の地位にふさわしい行動を習得する様式(Brim 1966など)
- 職業的社会化との異同
- 職業的社会化:人々がある職業に就き、退職するまでのプロセス、およびその職業の担い手に期待される職務遂行能力や態度、職業倫理、職業観などが習得される過程
- ここでは、組織社会化に職業的側面(技能的側面)と組織的側面(文化的側面)が並存する立場をとる。
- 研究テーマの設定:組織と個人の間の相互作用を考察するものがほとんど
- 組織の特徴や組織が個人に及ぼす影響の研究:社会化の促進策の働きかけ(職務予告や新任研修)と測定
- 個人の特徴や個人が組織に及ぼす影響の研究:現実ショックを和らげる働きかけと測定
- 社会化の開始・終了についての定説がない→キャリア全体の長期的と参入直後の短期的の2つの見方がある
2022/07/10
マジョリティ側の教育
- 白人人種的アイデンティティ発達理論(ヘルムス 1990)
- 接触(Contact):制度的人種差別や自分自身の持つ特権に対して無自覚である段階
- 分裂(Disintegration):徐々に自分の特権に気づき、罪悪感や怒りを感じるようになる
- 再復興(Reintegration):それでも現状維持へのプレッシャーに負け、マイノリティを避けるようになる
- 疑似独立(Pseudo-independent):自分について振り返る、見つめ直し、マイノリティの正確な情報を探し始め、現状について疑問を感じ始める
- 没頭(Immersion):アメリカ社会において白人である、ということはどういうことかを知ろうとする
- 自主性(Autonomy):白人として新たなアイデンティティを築き、人種差別に立ち向かい、抑圧のない社会を目指すために行動を起こす
- 黒人の人種的アイデンティティ発達理論(Cross 1971)
- 遭遇前(Pre-encounter):黒人に対してネガティブなステレオタイプを内面化する
- 遭遇(Encounter):人種差別を体験することで、人種差別の存在に気づかされ、そのインパクトについて認知する
- 没頭(Immersion/Emersion):黒人をポジティブに象徴する情報を収集し、自分が黒人であることと向き合う。白人とは距離を置く。
- 内面化(Internalization):自分が黒人であることについてポジティブなアイデンティティを築く
- 内面化・コミットメント(Internalization-commitment):人種差別をなくす社会にするためにコミットする
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