渡辺伊津子(2018)「管理職の苦境とアンビバレンス : センスメーキングによる問題解決」『駒沢大學經営學部研究紀要』(47), 1-22
- 組織におけるアンビバレンスの状況とそれに伴う苦悩は、「役割」や「地位・立場」に伴って生じるもので、個人的な問題として扱えない。
- アンビバレンス=「両面的な感情」を持つことから生まれる心理的葛藤(Ashforth et al 2014)。
- (1)不安をもたらす(→ 一方の感情を我慢・切り捨て、もう一方の感情を誇張することで身を守ろうとする)、(2)罪悪感をもたらす
- 教師や医師は特に多くの規範的な期待に囲まれている。
- 教師の場合:教師の自己概念、教師と子どもの関係、教師と保護者の関係、教師と同僚・教育委員会の関係など。
- アンビバレンスの従来的対応策=いずれも満足いくものではない・問題の解決にならない
- 回避:否認、分裂、抑制、逃避、気晴らし、情動の解放
- 支配:反応の形成、反応の拡充、合理化、正当化
- 妥協:灰色の妥協、黒であってしかも白であるという妥協
- 規範的期待の対立や矛盾が無くなるものでないなら、解消を図るより矛盾や対立をどのように活かすか、対立から生じてくる緊張を創造的なものにするにはどうしたらいいかを考えたほうが生産的。
- 組織における多くの成果は、実のところ、対立や矛盾に伴う緊張関係の中から生まれている。
- センスメイキングによる解決例
- 葛藤する規範「患者に対して感情的に接してはならない」「患者には常に深い関心を持っていなければならない」。
- → 後者を「感情を抜きにした」関心と置き換える。
- → 矛盾を解消したのではなく、「感情を抜きにした」という、関係を変える新しい意味を自ら作り出す。= センスメーキングによって、規範的期待の矛盾対立を解決する。