2022/05/17

小玉重夫・村松灯・田中智輝(2021)「高大接続改革の教育政治学的意義」『東京大学大学院教育学研究科紀要』61, 275-286

  • ランシエールの無知な教師:知識を有する者が知識を有さない者に対して「説明」をするという「説明体制」のもとでは、生徒の愚鈍化が進行する
    • 教師自身の説明が下手を指さない
    • 自分の権力を守るために嘘をつく者でもない
    • 生徒を服従させることによる
  • → 優れた知性を持つ者が劣った知性を持つ者を支配する構造そのものを変える必要がある
  • 高大接続のトランジションからトランスフォーメーション
    • 暗黙の仮定:知を生産する大学と知を伝達する高校=移行が必要
    • → その構造自体の変革(トランスフォーメーション)を含むべき
  • 知性の平等の前提に立てる教師=無知な教師=自分の学識から伝達をしない=説明と別の方法で教える
    • 生徒の知性が教師の知性に服従しない=教師と生徒は意志と医師の関係で結ばれる=教師が生徒自身の知性を用いるように強いること
    • → (1)質問する、(2)語ることを求める
    • 自分の知性を用いて文献に向かっていることを確かめるために、この2つの行為を行う
    • 文献を読ませる
    • 教師も一つのメディアになる(探求すべき内容を含んださまざまな事柄を提示するもの)
  • 高校の探求学習は、知性の平等につながる可能性はあるが…
    • その成果が進路実績や学術的・職業的観点から評価されてしまう(堀川の奇跡)
    • ← 高校生は本来大学生・研究者・社会人より劣っているという暗黙の前提
    • 探求学習の多様化の固定化:進学校=研究機関と連携、非進学校=地域と連携(多様化の名の下で序列が固定化されている)
  • 教育の出口である結果を重視する(=学習成果を数値化して評価)=ツリー構造の教育=普遍的な真理が頂点にあり、大学から中等、初等、幼児へ降りる垂直構造
    • → 出口がなく、答えのない問いと向き合う子供の探求活動をベースにした、ローカルで分権的なリゾーム型へ転換する必要がある