- 大学進学率上昇が大学の平均的な就職率を低下させたからといって,それは進学率の上昇が意味のないものであるという結論に結びつくとは限らない。
- 不況期に大学に進学する人々の中には,高卒では就職先が見つからないために,やむをえず進学した人々が含まれている。そうした人々が大学に行くことによって教育を受け,就職しやすくなったり,大学を一時的な不況からのシェルターとして活用しているならば,大学進学は当該世代全体の就職率を底上げする役割を果たしていることになる。(大学の「バッファー機能」)
- 進学率上昇によってより「大衆化」した大学は,「学問の最前線」としての機能よりも「社会に役立つ能力」を付与する機関としての役割が強く求められるようになると思われる。しかし,大学の教育内容が就職に及ぼす因果的な効果については分かっていないことが多く,これも今後の研究課題と言えよう。