2011/09/29

齊藤仁(2011)「公立小学校教育における非効率とその要因分析」『会計検査研究』No.44


  • SFAによる費用関数推定にあたり,費用を産出量と生産要素価格の関数と考えて次のようなデータを得る。
  • 先行研究のように賃金などで算出をとらえることは,小学校では適切でないので,都道府県レベルでの教育成果として,公立に通う児童数を用いる。公立は児童数に応じて教育を供給しなければならないため。
  • 単に安ければいいのではなく,質が高まらないといけない。そこで,児童一人あたり本務教員数と不登校児童割合を質の変数として用いる。
  • 環境に関するコントロール変数として,自治体の財政状態(費用-),政令市ダミー(+),特別支援学級割合(+),児童一人あたり都道府県面積(+)を用いる。
  • データセットは,公立小学校教育費,本務教員賃金,児童数,教育の質,長期欠席者比率,経常収支比率(1期前,教育費との同時決定バイアス考慮),政令市ダミー,特別支援学級割合,1学校あたり児童数,児童一人あたり面積。2001〜2006の6年分を47都道府県,282サンプルでパネル推定する。
  • パネルSFAでは,Time-invariant inefficiency mode か Time-varying decay inefficiency model のどちらを用いるかの検定が必要。uit=exp{-η(t-Ti)}ui におけるη=0の検定。これが棄却されなければTIIMで推定。(この検定については,Subal C.Kumbhakar and C.A.knoxlovell (2000) Stochastic Frontier Analysis, Cambridge University Press. で詳しい。)
  • 児童の減少は非効率性を高め,学校数の減少は非効率性を低くする。学校の統廃合は積極的に進めるべき。兼務教員の人件費が高いほど,非効率性は低い。