2008/05/20

岩下修(1989)『AさせたいならBと言え』明治図書

本書は、小学校教諭による発問と指示に関する実践事例集である。
Aをさせたいとき、Aしろと言っては何もできない。Aは概して目標であることが多いから。これを具体的な行動Bとして変換できるか否かに、教師の力量がある。静かにしなさい、ではなく、雨の音が聞こえますか、である。

教師の言葉のまずさは、教師が自分自身の内容を持っていないからであり、教材認識が確かでないからだ。教師の発言は、子どもを発見的認識に導くためにある。

子どもを動かす言葉作りの原則は、物、人、場所、数、音、色を含めること。共通の知覚体験をしたものであればゆれのない共通のイメージを喚起できる。
特に子どもは小さな特異点に注意が向く。へそ、つめ、など。

示される事例は小学生を対象としているのは当然だが、この原則は大人の世界でも通じるだろう。思考をせずに行動する大人が多くなった中で、考えて行動させ、知的な表情を引き出す工夫をすべきだ。

以下、メモ。ゴシゴシ洗う音、シャボン玉をふくらますように、腕で板を作る、あの教室の中に何がある、親書には何が書いてあった、ゴミを10個、爪を見なさい、先生の外を周りなさい、一番よかった場所、1ページに10個、音がしないように着地。