- 講義法のメリット:教師自身が科目内容を研究するという積極的態度を示し,それを追い求めるモデルとして機能しながら,学生の学習意欲に働きかける点。+ 一人の教員が多数の学生に情報を伝達する経済性。
- 講義法のデメリット:学生の持つ問題や理解度が教師に返されにくい。+ 講義の善し悪しが教師の力量によるため,教師が必要以上の緊張や不安を感じる。
- 学生が参加できない講義はつまらない → よい講義のための工夫
- 学生が安心して参加できる雰囲気をつくる(質問に答える・やわらかい物腰)
- 学生に伝えたいという熱意を点検する
- 学生の興味を刺激する(ユーモアを取り入れる・驚きを与える・関心を引き出す)
- 講義計画を作成し,時間内に終わる
- 説明に合う事例・体験談を入れ,理解しやすい内容とスピードを工夫する
- 視聴覚教材・黒板・実際の器具を活用する
- 自分の話し方(声の大きさ・歯切れの良さ)を振り返り,聞きやすい話し方を心がける
- 教師自身の体の動きを利用し,状況把握を助けるようにする
- クラスの気分に敏感になり,とらえた気分に対応する多様な方法を用意しておく
- 学生の自主性や意欲を引き出す講義をする(褒める・なぜ/どうしてを問う・レポートにコメントする・参考文献の紹介)
- 時には能動的な学習方法を取り入れる(グループワーク・体験学習・ロールプレイ)
- 学んでいることの意味を明らかにする
- 教師の体験や経験を盛り込む
- 活動の変化を盛り込む:人間があることに興味を持続できる時間は15分
- 講義の振り返りの視点(Gregory 1975)
- 何を,どのように,なぜ,そのことの意義などについて,教師が関心を持っていることを示したか
- 刺激となるものをかなり頻繁に変えて提示したか(聴覚・視覚・嗅覚・触覚の刺激)
- 重要なポイントを学生の個人的体験や,同一・異なる分野での既習学習と関連づけたか
- 講義内容と最新の出来事・発見と関連づけ,その現代性を明示したか
- 比較の視点を活用したか
- 対照的な観点や,対立する論争点を紹介したか
- できるだけ最近の文献や最新のものを提示したか
- 講義を聴くことと学生の反応とを,質問や回答によって相互に組み合わせながら,学生の活動を変化させるように働きかけたか
- 学生には積極的に賛成か反対かの意見を表明させたり,自分の仮説を提示するよう促したか
- 仮説を提出し,講義の後に自分たちで議論させたり,次の時間にグループで討論させたりしたか
- 講義では回答を与えられないような自主的な思考を要する問題を提起したか
- 重要事項や図表を強調するために黒板やOHPを活用したか
- 主題の完了している部分や別の領域に進んでいることを,その時々に明確に学生に示したか
- 難解な点には学生の視点の違いに応じて多様な説明を行ったか
- 標本・スライド・視聴覚機器を授業に組み込んだか
- 説明に役立つ例を挙げたり,類似点を引き出すようにしたか
- 引用は特に権威ある出典からのものにしたか
- エピソードや経験談を活用したか
- ユーモアを活用したか
- 講義の流れの中に,大きな変化をもたらす行動を入れるようにしたか(復習となる小テストや問題を与えて学生をグループで討論させ,教師にフィードバックするなど)
- 緊張した雰囲気からユーモラスな雰囲気へと授業のムードを切り替え,学生にひとときでも気分をほぐすような機械を与えるようにしたか
- 提示の構造(ローゼンシャイン)
- 目標と要点の明確化
- 提示の目標・目的を述べる
- 一度に1つの考え(要点・提示)に焦点を合わせる
- 脱線を避ける(提示と関係ない冗談は混乱する)
- 曖昧な句と代名詞を避ける
- スモールステップの提示
- 材料を小さいステップで提示する(呼吸障害のある患者の看護 → 呼吸器の構造・呼吸器の生理と病理・呼吸器の症状)
- 材料を体系化し,1つの点を習得してから次の点を考える
- 1つずつ明確な指示を与える(呼気障害によって生じる苦しみにはどのようなものがあるでしょうか? → 息を大きく吸って止めてください,どんな感じがしましたか?)
- 材料が複雑なときは概略を説明する(看護師法37条 → 先に医師法の定義・看護師法の定義,刑罰や刑法を説明する)
- 具体的な手続き
- 技能や過程の手本を示す
- 学生に具体的で多様な例を与える
- 学生の理解の点検
- 次の点に進む前にこれまでの提示を学生が理解したことを確かめる
- 提示したことを学生が理解しているか知るために学生に質問する
- 学生に自分の言葉で主な点を要約させる
- 教師が説明・学生が教えるのいずかの方法で学生に困難な部分を再教授する
- 提示の技術の実際
- 課題の提示は,ゆっくり始める(法律を学ぶ意味を知る → 法律という言葉のイメージを聞くことから始める)
- 他の技法との併用:板書,発問,応答,資料の適切な組み合わせ
- 説明の後に必ず応答を引き出す
- 発問
- 発問の目的:学生の実態の把握,学習の促進,学生の関心・学習の焦点化,対話としての学びの深化
- 認知的発問の種類:知識・理解・応用・分析・統合・評価
- 情意的発問の種類:価値の内面化・価値の体系化・価値付け・応答する・受け取る
- 発問は教師の深い教材解釈に支えられている。発問は問答法とは異なり,教材を通した学習の探求過程,教材解釈が浅いと学習は深まらない。
- 板書
- 板書の機能:思考の手がかりを示す,思考の足跡を示す,学生と教師の共同作品
- 何を書くかは事前に整理しておく
- 板書しながら話すと学生は混乱する
- 講義の評価
- 学生の学力,学生の経験,教師自身の3点で評価する
2014/10/20
藤岡完治・堀喜久子・小野敏子(1999)『わかる授業をつくる看護教育技法1 講義法』医学書院
2014/10/14
西垣順子(2007)「成績評価の何をどのように検討するべきなのか?」『大学教育』大阪市立大学,4(1),1-11
- 不適切な成績評価が起こす問題=(1)大学教育の質保証ができない,(2)学生が適切な学習習慣を身に付けなくなる
- 成績評価が質保証の手段として機能しない=海外留学で不利に
- アメリカの成績インフレ → 評価の割合目標設定 → 教育の質向上につながるかは疑問
- 成績が上がる要因:学生の成績上昇,成績インフレ,成績圧縮(全員に優),成績不平等(鬼と仏)
- アメリカで問題なのは成績不平等の問題,いずれは成績圧縮になる(Hu 2006)
- 一生懸命勉強して低い成績=何が足りない?,手を抜いて高い成績=この程度でよい → 成績評価は学生の学習行動に影響を与える
- 信州大学地域連携プロジェクト(2005)の調査:履修登録単位数と単位取得数の相関0.95 → 成績圧縮状態
- GPA ≠ 厳格な成績評価 = ある授業の成績評価が不適切に甘いとGPAが高くなる
- 卒業者の能力や教育目標への問いがなければ,厳格な成績評価の基準もわからない
2014/10/13
佐藤慶太・羽白洋(2010)「全学共通科目における成績評価の現状と課題」『香川大学教育研究』7,33-47
- 「21世紀の大学像と今後の改革方策について」答申(1998)で求める「成績評価基準の明示と厳格な成績評価の実施」の2つの課題
- 成績評価基準の明示:シラバスでの成績評価基準の明示 + 多面的評価の実施(出席,宿題,レポート,期末試験)←単位の実質化問題とリンク
- 最低限の質保証,優秀学生の表彰,学生の学習意欲刺激(留年者の増加を予想)
- 「学士課程教育の構築に向けて」答申(2008)で求める成績評価問題
- 組織的な学修評価(=GPAによる客観的評価システム導入)
- 教員間の共通理解の本での成績評価基準の策定と明示
- 学生の学修履歴の記録と自己管理のためのシステム開発
- 国際的に通用する成績評価法の導入
- 多面的評価
- 外国語コミュニケーション能力の厳格な評価
- 学部間で運用に違いがある中で,全学共通教育の成績評価にばらつきがあることから生じる諸問題は,結局3つの問題。
- GPAの前提になる成績が適切に付けられているか
- 成績優秀者を表彰できているか(優秀者は4年生で授業をとらない)
- 成績評価の手続きが統一されているか(授業放棄を非履修と扱う教員)
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