- ボイやーはスカラーシップを「知識の扱い方」という観点から4つに分類し,この全てが大学教授職に必要なものであるということを主張した。
- その背景は、教授や社会貢献の責務が大学教授職としての評価に結び付くものではなく,報賞に反映されないため,これらの責務の重要性を論じることで,この状況を改善しようとした。
- 4つのスカラーシップ
- 全ての大学教授職に必要
- 全ての大学教授職が同様の割合で以てこの4つを発揮すべきものではない
- 所属する大学の特徴,ライフコースの様々な時点に応じて,4つのスカラーシップの発揮の仕方やその割合が異なる
- このような個々の大学教授職の職責の差異=「威厳ある多様性(diversity with dignity)」
- ボイヤーの問題点
- 教授のスカラーシップ
- 教授という活動には知識の発見,統合,応用が含まれるため,他の要素とは次元が異なるという解釈が可能?
- 表現に揺れ:「知識共有のスカラーシップ(scholarship of sharing knowledge)」
- 統合のスカラーシップ
- 大衆向け著作や教科書の執筆=教授や応用のスカラーシップと関連した活動?
- 多くの人はスカラーシップをばらばらに捉えている:SoTLの些細な『指標』がつくられる。
- → 教授とは発見,統合,応用が含まれるものであり,他の3スカラーシップと教授とを並置するのは論理的におかしい(Bosier)。
- 2つの大きな流れ
- SoTLやSoEをそれぞれ教授のスカラーシップ,応用のスカラーシップの発展形として捉える流れ
- SoTL・SoEをそれぞれ,ボイヤーが提示した4スカラーシップの統合の在り方として捉える流れ
- 公衆からの信頼回復を目指した個別的なスカラーシップ論
- 授業料に見合う学習経験+学問知の専門分化による大学と社会との隔絶の克服
- → 各々が教授と研究の両方を担う従来型のモデルはコストがかかる
- → 教育専従や研究専従といった単一の職務に従事する大学教授職の増加
- 分業的に役割を担わせることができるような新たなスカラーシップ論(教授及び公益的活動の地位向上に貢献)
- 多様性と共通基盤を求めた総合的なスカラーシップ論
- 各スカラーシップが個別に分断される危険性
- → 大学教授職に必要とされる共通要素を検討しようとする(一見すると多様性の議論と逆行)
- 統合のスカラーシップ:教授や公益的活動のためのものというよりも,「解釈し,一緒にひとまとめにし,独創的な研究を結実する新しい洞察をもたらそうとする」もの
2017/10/19
間篠剛留・原圭寛・翟高燕・塔娜(2015)「ポスト・ボイヤーのスカラーシップ論」『慶応義塾大学大学院社会学研究科紀要』79,1-14
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